Q5.牛乳の殺菌方法って?

A.4つの殺菌方法があります。

1 低温長時間殺菌法(LTLT)
   保持殺菌法とも呼ばれ、生乳(搾ったままの乳を62℃~65℃で30分間加熱する方法。

2 高温保持殺菌法(HTLT)
   生乳を75℃以上で15分以上加熱する方法

3 高温短時間殺菌法(HTST)
   生乳を60℃前後で予備加熱し、次いで所定温度まで加熱する方法。

   72℃~75℃で15秒の殺菌が基本。

4 超高温殺菌法(UHT)
   現在広く使われている殺菌方法で、120℃~150℃で1~3秒加熱する方法。

   殺菌効率が極めて高く無菌に近い状態になります。

 

memo

低温殺菌のほうが新鮮?!

 近年、低温殺菌牛乳がもてはやされています。低温殺菌牛乳の方が「生」に近いという言い方が消費者に分かりやすく、ビールなどで引き起こされた「生」ブームに乗ったことが底辺にあるようです。
 では、本当に低温殺菌牛乳が生にいちばん近い牛乳と言えるのでしょうか?
加熱の影響を何で見るかによりますが、たんぱく質の変性で見れば高温殺菌がもっとも変性度が少ないという科学的データがあります。
たんぱく質の変性が少ないほど生に近いということなら高温殺菌牛乳がいちばん生に近いことになります。
 低温殺菌は先にも述べたように「乳等省令」*の殺菌方法の原点になっている方法で、衛生的あるいは栄養的に別段問題はありませんが、低温殺菌が最高の方法であるかのようにいうのは問題です。

*「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」

 

2016年04月05日