Q37.高温殺菌牛乳はガンの原因になるって本当?

A.牛乳の殺菌・滅菌に用いられるような加熱条件で、変異性原生物質が生成することはありません。

 高温殺菌牛乳に発癌性物質?
 高温殺菌牛乳には発癌性物質が含まれるという、ショッキングな議論が主として消費者運動家から出されたことがありました。昭和50年代のことです。その発端の1つはある香料会社のS氏が「ミルクを100~150℃に加熱して、サルモネラ菌の変異を使うエームスの方法で、変異原活性の上昇を認めた」という報告を、日本環境変異原学会の研究集会で発表したことでした。
 しかしその解釈において重大な誤解がありました。
 それは、この実験が5時間という長時間の加熱で行われたことで、そのことが講演要旨に書かれていなかったのです。
 UHT(超高温瞬間連続式殺菌)方法で150℃の加熱が行われるとしても、それは2~4秒です。
5時間がいかに現実離れした条件であるかはいうまでもありません。


 150℃という数字だけが独り歩きし、消費者団体などが大騒ぎしました。
 その後、この発表をしたS氏、並びに、予防衛生研究所においても、実験を行い、変異性物質を検出しなかったと報告しています。
 しかし、未だに当時の記事をうのみにしその一部だけを抜粋し、活動をされる販売員の方がみえお客様に近代的な情報を伏せ謝った知識と情報を提供されることがあります。皆さん、注意しましょう。

2016年04月06日